ところで皆さん、博物館と聞くとどんな印象をもたれますか?


国立博物館を筆頭に、近場では佐倉の歴史民族博物館など・・・ 歴史的価値はあるが、どちらかと地味な、ある程度その価値や貴重性を理解することのできる方向けの展示がなされています。

メインカラーは、モノトーン、茶色、いぶし銀・・・  あ、お仏像などには金色とかもあるかもしれません。


とにかく好きな方には堪らないお宝の宝庫です。

対して、自然科学系の博物館はどうでしょうか。


例えば上野の国立科学博物館を例にとって考えて見ましょう。

玄関先に退役して久しいSLD51が鎮座ましましています。


建物の横には、30メートルもある現存する地球上最大の哺乳類、
シロナガスクジラのレプリカ像が飾られています。


もう、なんかテーマパークみたいですw

内部は近年大改装が行われました。大きな球状のスクリーンの真ん中にある観望ステージに立ち、地球の歴史と大自然を映像で体験できるコーナーなど、体験型の展示がたくさん増えました。

色も、溶岩は赤いし、植物は太古の昔から緑色です。


宇宙から見た地球は青いし、各種鉱物の原石に至っては、まるで天然の色見本のようです。

実にカラフルで楽しい


実際、国立博物館で幼稚園児の遠足を見たことはないですが、国立科学博物館ではありますw。

要は、あまり深く考えずに眼に見たものを感覚的に楽しむことができるのが、自然科学系の博物館といえます。


脇にある、小難しいことがどっさり述べられている案内板を見なくても大丈夫です。

目や耳から入ってくる情報だけでかなりの部分理解できちゃいます。


経験は記憶として残ります。


が、でも失われていく記憶は多いものです。

失われずに済む記憶には特徴があります。


まず楽しかったと言うプラスの感情が伴うこと。

それから五感が総動員されたものであること。


難しくなりました。

喩えで考えてみましょう。

リンゴをまったく知らない人が二人います。

 

ある人は辞書で調べてみます。とりあえず果実のところだけ見てみました。

「果実は球形で甘酸っぱい。品種が多く、早くは6月下旬から、遅いのは12月にかけて熟す。色は赤・黄・うす緑がある」(参照:岩波国語辞典より)

 

もう一人の方の目の前には、ほんもののリンゴが差し出されました。

赤いのや黄色いのやうす緑のがあります。

大きさもさまざまです。

触ってみると、ざらざらしていたり目立たないぶつぶつがあったり。

色も一様なわけではなさそうです。鼻を近づけてみると、特有の甘い芳香があります。

包丁を入れてみました。

香りはいっそう強まります。

水分が豊富であることが分かります。

種の周りに、いわゆる「蜜」と呼ばれる半透明の蜂蜜色の部分があるのもあります。

切り分けて、食べてみました。

酸味がほとんどなく甘さが際立つものもあれば、すこし酸っぱい実もあります。

舌触りにも変化があります。

「う~ん、美味しい

 

どちらの人が、生き生きとした記憶として「リンゴ(の果実)」が頭の中に焼きついたでしょうか?

言うまでもありませんね。

理科はそんな科目なんです。比較的簡単に、体験することができる。学校に理科室があって、顕微鏡覗いたり、滑車やてこ、中和など、安全で簡単な実験を体験する機会も開かれています。

これが数学だったりしたらどうでしょうか。

どうにもなりません。

関数の問題を、食べたり、嗅いだり、触ったり、触れてみたりなんてできませんよね。

 

このように理科は、印象を強める努力をしやすい体験型の教科と言えます。

 

つまり覚えやすい。

興味を持ちやすい。

理解したことが頭から離れにくい。

ということで、

主要5科目の中では、いちばん得意にしやすい教科
といえるのです。

 

そして自然科学系の博物館、バカにしないで見学してみるようオススメします。

大人だけで来てる方、結構いますよ。子どもさんたちより多いくらいです。

きっと印象に残ることがたくさんありますよ、